限定承認 パート1
被相続人の財産の詳細が不明で負債があるはずだがなかなか判明しない、熟慮期間の制限もあることだし、どうすればいいのか困ってしまう、なんてことありますよね。このような時の方法の一つとして限定承認というものがあります。民法では以下のように規定されています。
「相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。(民法922条)」
つまり、相続人は原則、被相続人の一切の権利義務を承継することになりますが、限定承認をすることで、相続債務及び遺贈について、相続財産の限度において弁済の責任を負うにとどまるのです。これが限定承認という制度です。
では、限定承認をするためにはどうすればいいのでしょうか。それは、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内(熟慮期間)に、共同相続人の中から相続財産管理人を選び、相続財産目録を作成し、限定承認の申立書とともに家庭裁判所に提出します。これが限定承認の申立手続です。
次回、限定承認の清算等についてお話ししたいと思います。
このページのコンテンツを書いた相続士
- 行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所
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