相続について話し合ってますか?

今年も早いもので、8月に入りました。暑い日が続きますが、東京は梅雨が明けてから梅雨のようなぐずついた天気でスッキリしないですね。

さて、子供のいる家庭は先月から夏休みに入り、賑やかな日が続いているのではないでしょうか、そんな中、8月となると「お盆」を迎える家庭も多いと思います。(7月に行うところもありますが)

子供の夏休みやお盆休みとなると家族が一同に会する機会も増えるのではないでしょうか、場合によっては家族のみならず親族集合なんてこともあると思います。

そんな時には、「この家は先々どうなるのかな」「私が死んだ後は・・・・」なんて話も出るかもしれませんし、「この土地は曾祖父さんが購入してからお爺さんやお父さんが頑張って維持してきた」などと家の歴史が語られることもあるのではないでしょうか。

そんな話の時には、誰もが口には出さなくても頭をよぎるのが「相続」についてだと思います。

こういう機会ですから、「相続」について軽いタッチの話からでもいいので、みんなで話をしてみるのも良いと思います。

相続は争族と揶揄されているように、揉める印象があります。これは、事前の話し合い不足や自己都合の押し付け、一方的な権利の主張が原因の一部でもあります。

また、相続というと触れてはいけないもののように考えて、みんなが口を閉ざしてしまい、何の話もしないまま実際の相続に直面してしまい、その時になってあれこれ言い合うようになってしまうのも思わしくない状況ではあります。

このお盆・夏休みの機会に相続について考え、話し合うことは大変良いことだと思います。その際に考慮していただきたいことを少しお話ししたいと思います。

避けなければならないのは自己中心的な考え方です。これは大枠での表現なので、もう少し細かく言いますと、相続の争いの中でよく目立つのが「権利の主張」や「自己都合の押し付け」です。

確かに、法定相続人には被相続人の遺産を承継する権利があります、しかし、相続が開始するまではあくまでも「推定相続人」です。廃除によって権利を剥奪されるかもしれません、もしくは、悪事の結果として相続欠格者となるかもしれません。そして、遺留分権利のない兄弟姉妹の場合は遺言により相続権を失うこともあります。

ですから相続が開始するまでは法定相続人は推定相続人であって、承継する権利はまだ取得していないのです。なのに、私には1/4の権利があるなどの権利の主張を相続開始前からする人もいます。

権利の主張をする人に限って、その裏返しである「義務」について無頓着であることが多いものです。権利と義務とは一体のものであるという認識が薄いのです。

ここでいう義務とは端的に言えば、親の面倒ということです。それ以外にも財産管理等の義務もあるでしょう。

相続の現場で争いになりやすいのが、遺産を相続する権利と親の面倒を看る義務のせめぎ合いです。

親の面倒を看た相続人には、やはりプラスαがあって然るべきだと思います。

この辺りは、完全に相続人同士の「心の問題」となります。

親子兄弟姉妹、一緒に生活してきた者同士、お互いに「相手のことを思いやる気持ち」があって良いのではないでしょうか。

一歩引いて考える、ということも必要です。自己都合の押し付けはいけません。

被相続人が遺してくれたものを、ありがたく分かち合うという気持ちが大切です。

その際に、他の相続人のことも思いやる気持ちがあると良いと思います。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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