相続人の不安

相続の相談を受ける相手としては、被相続人となるご本人からというものがあります。自分の相続に関してどのような準備をしたらいいのだろうか、そもそも準備は必要なのだろうか、遺言は、などと様々なものがあります。

そして相談を受ける相手としては、他に、相続が開始した時に相続人となるであろう推定相続人からというものがあります。

この場合の相談はご本人からのものより深刻であることも珍しくありませんが、一様に言えるのは「何をすればいいのかわからないから不安」「争いにならないか不安」というように「不安」というものがあるということです。中には、「誰に聞けばいいのか(相談すればいいのか)全くわからない」という不安を持つ方も多く、まだまだ相続の専門家が一般化されていない現実を見ることもあります。

この不安の中で最も多いのが、「何をすればいいのか分からない」ということです。

当たり前です、人生のうちで数えるほどしか経験することがなく、その経験もバタバタと過ぎてしまって気がついたら終わっていた、というのも珍しくありません。だから、思い出そうにも「どうだったかな」という具合になってしまうのです。

一般的に、専門家以外の人たちは、相続に関しては誰もが初心者です、プロはいません、不安はもっともなことです。

ここで重要なことは不安を解消するために、自分と相性の合う相続の専門家を選ぶことです。

知識や経験が豊富であっても、なんかイアだな、合わないな、ということもあります。これは仕方のないことです。反対に、知識そこそこ、経験そこそこ、たまに間違えることもあるがすぐに訂正してくる、そんな奴だけど、なんとなく憎めないな、悪いやつじゃないな、なんて感じることもあるのではないでしょうか。それが多分相性なのでしょう。

どのような専門家を選ぶかは自由ですが、不安という気持ちを解消または減少させてくれる専門家選びが重要なのかもしれません。

相続開始まで秒読みかもしれないという時期は、悲しさもありますが、その後やらなければならないことを考えると悲しさより不安が先行することもあります。

まず、何をやらなければならないのか、明確に教えてくれる人が近くにいてくれると不安も和らぎます。誰に聞けばいいのか明確な相手がいれば不安も和らぎます。

昨今では、少子高齢化などの影響もあり、直系卑属が相続人となるとは限りません、被相続人の兄弟姉妹やその代襲相続人である甥や姪というケースも多々あります。その場合、縁遠い相手だと、何も分からない、どうすればいいか分からない、まるで巨大な迷路に突然投げ込まれたような心理状態になるのも無理はありません。そんな時でもナビケーターがいると少し迷うことがあったとしても確実に出口に向かうことができます。

みなさんの相続に関して、不安を解消あるいは減少させてくれる専門家を探してみてください。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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