終活 どう考えますか

終活というと何を思い浮かべますか。

終活の代名詞ともいえるエンディングノートの中身を見ると書くことがたくさん有り過ぎて、逆に書く気にならなくなったなんていう話を耳にすることもあります。

エンディングノートは様々なものがあり、発行者によってそれぞれの特色が出ています。かくいう筆者もオリジナルエンディングノートを作成して相談者に渡したりしています。

エンディングノートの意義とは何かを考えると、その捉え方は人それぞれですが、自分がいなくなった後に遺された家族の役に立つという点は共通ではないでしょうか。

世間で一般化されてきた「終活」、エンディングノートの作成を基本としてアドバイスする専門家がほとんどだと思いますが、筆者の考えは少しだけ違っています。エンディングノートは終活の結果を記すものであり、エンディングノートありきではないということです。極端な話、まっさらなノートに終活の結果を残していっても構わないと思います。それがその人のエンディングノートになるのだと思います。

では終活とは何をしていけばいいのか、これから始める人には分からないこと、気づかないことだらけです。そのような人の指針となるのがエンディングノートの役目でもあると考えます。

さて、実際に終活を行おうとした時、何から始めるのか、という最初の壁に当たります。

自分がいなくなった時に気になることは何なのか、今一番自分が関心のあることは何なのか、ということを考えてみてください。“この家どうするのか”“この先年老いたら施設に入るようなのか”“お墓は誰が守るのか、仏壇は・・・”“遺言は必要なのか”などと漠然としたものでも出てくるのではないでしょうか、それが終活のスタートです。もし具体的出てこないようなら市販のエンディングノートの目次だけでも見てください、最も惹かれた項目は何ですか。ここまでしても何もないようなら、終活を考える時期ではないのかもしれません。

終活とは文字通り自分の終わりに備える活動であるとも言えます、だからと言って塞ぎ込む必要はありません。

自分に万が一のことがあった時に家族が困らないように準備しておくことであって、向こうの世界に行く準備ではありません。

終活をする上で重要なのは、自分らしく生きる姿勢は貫き通し、長く元気に生きていくための準備であると認識し、終活に縛られずに何度でも(エンディングノートなどの)記録を書き直すぐらいの気構えでいることではないでしょうか。

このように言うと矛盾を感じる方もいるかもしれませんが、終活に縛られずに生きることが重要だと考えます。

その中で、家族のために記録を遺したり、生前に準備をしたりすることは大変良いことだと思います。

そういったスタンスの人をお手伝いする終活の専門家もいるはずです。

押し付け終活だけは避けたいものです。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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