「終活」これからの新しいステージ

 エンディングノートに代表される「終活」ですが、実は様々な分野が関係してくる広範囲にわたるものなのです。しかし、「終活=エンディングノート」のイメージから抜け出すことができない人が多くいることも事実です。

「終活」の専門家を名乗る人でさえ、今だにエンディングノートの書き方をメインにしているようなことも珍しくありません。

 数年前に「終活」というものがエンディングノートという具体的な手段を通して、世に広まりましたが、当初は「終活」を理解してもらうためにはエンデイングノートという媒介するもの、あるいはイメージしやすいもの、が必要だったためにエンディングノートに脚光が集まったのではないかと思いますし、それ自体が必要なことだったのだと思います。

しかし、最近では「終活」は世に広まり、各々がある意味”独自の終活”を行なっているほど浸透していますので、エンディングノートを終活の代名詞として”その書き方”に重点を置くというステージはもう過去のものと言っても良いのかもしれません。

今後求められるのは、「具体的な行動とそのための専門的な支援」ではないでしょうか。

ここで誤解しないで頂きたいのは、エンディングノートはもう古いとか必要ないと言っているのではないということです。

『エンディングノートという手法』を活用しながら、具体的な行動と専門的支援にスポットを当てていくことが必要だということです。

自分自身の「終活」を考える上で、まず何をしなければならないのかということからスタートしますが、そこが不明と言うのであれば、それこそ”エンディングノート”の内容を参考にして、「自分の死に向かった準備」ということで捉えたなら、自分の「死の前後」の時期に必要なことは何かを考えていきます。

自分自身の晩年を想像して、認知症の問題、終の住処の問題、介護の問題、相続の問題、遺品整理の問題、葬儀・お墓の問題、死後事務の問題など、個々の状況によって様々なものが出てくることでしょう。

自分だけでは解決できない専門的な分野が多く関係してきますので、道案内をしてくれる専門家が必要になってくることもあるでしょう。

終活〇〇といった肩書で専門家の看板を挙げている個人等もいれば、金融機関等が窓口となって終活をサポートしているところもあります。

そういった中で、自分に合う専門家・専門機関を探さなければなりません。

自分自身の「終活」のために必要なもの、例えば、認知症の問題・介護の問題・終の住処の問題・相続の問題など、に対処できる専門家かどうかを判断しなければならなくなります。

もちろん自分との相性の問題もあります。

一般に、「終活」とは自身の死のための準備とともにこれからの自分の人生をより良く生きていくための準備、というようなものとして浸透しているようです。

自分の死の準備を根幹としながら、これからの自分の人生のQOL(Quality of Life:生活の質)の向上を目指した「終活」をするためにも、しっかりとサポートしてくれる真の専門家が必要になってきます。

「終活」が世に広まり始めて数年が経ちました、『エンディングノートの書き方』という机上のステージから、個々の状況に応じた具体的な行動と専門的支援を行なう新たなステージへと進んでいくのではないかと思います。

このページのコンテンツを書いた相続士

中島 浩希
中島 浩希
行政書士、宅地建物取引士、相続士上級、CFP
東京都小平市出身。法政大学経済学部卒。リース業界・損害保険業界を経て、2007年相続に特化した事務所を開設し、現在も一貫して「円満相続と安心終活」をモットーに相続・終活の総合支援を行っている。相続・終活における問題の所在と解決の方向性を示す的確なマネジメントと親身な対応が好評を得ている。相続専門家講座の専任講師として相続専門家の育成にも助力している。日本相続士協会専務理事。
中島行政書士相続法務事務所・ナカジマ相続士事務所

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