離婚後に私が死んだら、子供の親権は誰に?
先日、10年来のお付き合いのあるご夫婦の奥様から、以前加入した生命保険について相談をしたいというご連絡がありました。お会いして話を聞くと、もうすぐ離婚をする予定だということでした。もちろんご主人とも何度もお会いしていて、仲の良いご夫婦に見えたのですが、他人にはわからない事情があったのでしょう。
話の内容は、ご夫婦がそれぞれ加入している生命保険の受取人を変更したいということ、奥様ご自身が新しく生命保険に加入をしたいということでした。今回は、離婚をした場合の死亡保険金の受取人のお話と、それに関連する「親権」についてお伝えしようと思います。
今回のご夫婦の場合、ご主人が加入している生命保険の死亡保険金受取人は奥様からお子様に変更することでご夫婦が同意をしたということです。なお今回の離婚に際して、親権は奥様が持つということで合意もされているそうです。あらためて言うまでもなく、奥様は赤の他人となるわけですから、直系親族(卑属)であるお子様が受取人になることはなんら問題ありません。離婚後に、ご主人に万が一のことがあった場合には、お子様が未成年の場合には親権者である奥様が手続きを行い、お子様が成人後は、ご自身で手続きを行うことで死亡保険金を受け取ることができます。ご主人が亡くなってしまった場合に、途絶えてしまう養育費の代わりの役割を生命保険が行うことになります。
奥様が心配していたのは、現在加入中の生命保険と、これから加入する生命保険の受取人を誰にしようかということでした。「子供を受取人にしたら私が死んだ後に夫が親権を持って、死亡保険金も夫にわたるようなものだ」と、それだけは絶対に避けたいという口調でお話をされていました。
この奥様が言うように、もし離婚した後にお子様が未成年のうちに奥様が亡くなってしまったら、親権はもれなく元のご主人が持つことになるのでしょうか。この点については、次回お伝えしたいと思います。
このページのコンテンツを書いた相続士
- 相続士、AFP
1971年東京都生まれ。FP事務所FP EYE代表。NPO法人日本相続士協会理事・相続士・AFP。設計事務所勤務を経て、2005年にFPとして独立。これまでコンサルティングを通じて約1,000世帯の家庭と関わる。
相続税評価額算出のための土地評価・現況調査・測量や、遺産分割対策、生命保険の活用等、専門家とチームを組みクライアントへ相続対策のアドバイスを行っている。設計事務所勤務の経験を活かし土地評価のための図面作成も手掛ける。
また、住宅購入時の物件選びやローン計画・保険の見直し・資産形成等、各家庭に合ったライフプランの作成や資金計画のサポートを行っている。個人・法人顧客のコンサルティングを行うほか、セミナー講師・執筆等も行う実務家FPとして活動中。
FP EYE 澤田朗FP事務所
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